新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

「誤解を恐れずに言えば、空気感でしょうか」

「空気、ですか」

「ええ。結愛さんの纏う空気は、居心地がよく、それでいて落ち着かない気持ちにもさせる」

「いいんですか、悪いんですか」

「上手い表現が見つかりません。あなたの仕草ひとつひとつが好きですね。それは、たぶん子どもの頃から、ずっと」

 喉を鳴らした彼女が私を見上げる。

「それは、私の前から省吾さんがいなくなった時の」

「ええ。自覚していなかったのに、キスをされて劇的に自覚させられました。ある意味、魔性ですよね。少女の結愛さんは。いや、今もですか」

「魔性のわけないじゃないですか」

 腕に抱いたままだった結愛さんは腕を突き出して、私から体を離す。
 そして、驚くべき内容を口にした。


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