しずくの恋
どれだけ髪の毛をつやつやにしても、
鏡のまえで笑顔をつくっても

流山くんの心が私に動くはずがなかった。



体験を終えて着替えていると、


「しずく、なにか食べてかえろっ!」


と、琴ちゃんが私の顔を覗き込んだ。



「そうそう!しずくの好きなもの食べに行こっ!」



私のために一緒に体験レッスンに参加してくれたふたりに気を遣わせて、情けない。


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