クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?
side ジョシュア




「ジョシュア……そろそろ、解放される時が来るわ。」

「……解放?どういうことなんだ?」

アンジェラは俺を見て、おかしそうに笑った。



「あなたとの暮らしも、そろそろ終わりよ。」

アンジェラは、一体、何のことを言っているのか。
俺には皆目わからず、その持ってまわった言い方が俺を苛つかせた。



「もっとわかるように言ってくれ。」

「あら、何を怒ってるの?
私は良い報せを話してるのに…」

アンジェラと暮らし始めて、すでに、そろそろ二か月近い時が流れていた。
ここでの生活は、退屈ということ以外は、特にこれといった問題はない。
アンジェラとの仲も悪くはなかった。
だが、それだから快適というわけでもなかった。
使用人たちの前ではずっと仲の良いふりをしていたし、なによりも自由に遠出も出来ないような暮らしは、俺の性に合わない。



「ジョシュア…これから驚くようなことが起きるかもしれない。
だけど、それを顔に出してはだめよ。
私が話すことにとにかく話を合わせて。
……良いわね?」

そう言ったアンジェラの顔に、ぞっとするような気迫を感じた。



「……ただ、あんたに合わせてりゃ良いんだな?」

「ええ、そうよ。
そしたら、あなたを必ず解放してあげる。」

その自信に満ちた表情に、俺は術にでもかけられたように甘美な気分に浸っていた。
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