クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国（パラダイス）～これってもしやシンデレラストーリー！？

そして、余にはひとつ気がかりなことがあった。
それは、アンジェラの『望み』だ。



「陛下…私は必ずや、ジョシュアの子を産みます。
ですが、その代わりにひとつだけ、私の望みを叶えていただきたいのです。」

彼女は、まっすぐな瞳で余にそう訴えた。



「望みとはどんなことだ？」

「それは、懐妊した時にお話します。」



彼女は一体、どんなことを願うのだろう？
余は、その望みがどこか怖ろしい。



なぜなら、その望みを断ることは、おそらく余には出来ないだろうから。
アンジェラもきっとそのことをわかっているのだ。
詳しいことはわからずとも、彼女はこれが余にとっていかほど大切なことかをきっと気付いているのだ。
つまり、彼女の『望み』は、子を産むこととの『交換条件』なのだ。
侮れない女だ。



その時が来るのは、さほど遠い日のことではないだろう。
そして、それは余にとって嬉しい日でもある。



余は待とう…
その日が来るのを……