ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「ごちそうさまでした」

 エリナがいつも言っているので、食後の挨拶はルディもミメットも『ごちそうさま』になっていた。
 そして、ギルバートとフランセスも、声を合わせて「ごちそうさま」と言った。

「なるほど。噂に違わず、素晴らしい料理でした」

 フランが上品に言った。

「このような斬新な料理をいただくのは初めてでしたが、大変美味しく、できることならまた食べることができたなら、と感じました。この食堂が人気の訳がわかりますね」

「ありがとうございます」

 エリナは笑顔でフランに言った。

「特に高級な食材を使ったわけではないんです。でも、ミメット姉さんが美味しい牛肉を買ってくれて、お肉の味を生かした料理ができたと思います」 

 そこまで話してから、エリナはハンバーグ定食を完食したギルバートに尋ねた。

「ギルおじいちゃん、お味はどうでしたか? 歯は痛くなっていませんか?」

「……エリナよ……」

 ギルバートは椅子から立ち上がると、エリナに近づき、そして彼女を抱き上げた。

「ありがとう。まさかまたこんなに美味しい肉料理が食べられるとは思わなんだ。お前は小さいが、この国でも最上級の立派な料理人なのじゃな」

「おじいちゃんに喜んでもらえて嬉しいです」

「おお、こんなに喜ばしく美味しく肉料理が食べられて、わしは大感激じゃ」

 感極まったギルバートの肩から上がモッフモフの狼に変化してしまったので、エリナは「わあい、おじいちゃん、モッフモフですぅ」と大喜びで毛並みをモフり、料理のみならずそのゴールドフィンガーでギルバートをすっかり虜にしてしまったのであった。
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