ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「やだもう、ルディさんったら乙女に向かってなんてことを……」

 着替えを手にしたエリナは、素敵な彫刻のついたドレッサーの鏡を見て言葉を途切らせた。

 そこに映っているのは、まだ幼い猫耳の女の子である。
 当然胸などまったくのぺったんこで、ミメットと比べたら色気のいの字もない。

「そうだ、わたしは乙女……じゃなくて、今はちびっこだったんだっけ」

 ルディに対して理不尽なことを言ってしまったと、彼女は反省した。同時に、自分が子どもであることを意識してして行動する必要があることを改めて感じた。

「中身は19歳でも、この世界ではわたしはまだ小さな子どもなんだ。前世の記憶があることを知られたり、本当の名前を知られたりすると、困ったことが起きそうだから気をつけなくちゃ」

 特に、フォーチュナから『フェアリナという真名は、信頼できる人にしか知らせてはならない』ことが伝えられている。
 幸運をたくさん持ってこの世界に転生したが、運の無駄遣いはしないでなるべく平穏に暮らしていこうと、エリナは鏡に向かって頷くのであった。

「でも、やっぱり19の乙女として、いくら狼とはいえ男性とお風呂に入るわけには……ん? 狼ならいいのかな?」
< 94 / 209 >

この作品をシェア

pagetop