ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 さて、エリナから軽く変態扱いをされて部屋から退散したルディであるが。

「……困ったな。あんな小さな女の子は、どう扱えば良いのかわからない」

 悩むお父さん状態になっていた。

「まだ赤ん坊に近いくせに、一人前なことを言うし、かといって警戒心が強いわけでもないし。だいたい、俺に懐く獣人だなんて、前代未聞だぞ」

 いや、全然赤ん坊には近くないが。

 ルディの肩から上は、人化しても恐ろしい狼の姿のままだし、完全に狼の姿をとると小動物ではその場で足がすくんでブルブル震え出すほどの迫力があるのだ。
 彼に「わあい」などと言って抱きつき、モフる者など今までいなかった。

 迷子の子猫の世話を、面倒見の良いミメットに任せてしまおうかと考えたが、ルディはエリナに関して本能的に引っかかるものを感じていた。そのため、近くに置いて見張っておいた方が良いと判断し、正式にエリナの後見人になることを申し出て、さらに家具屋と派遣家政婦に急ぎのオーダーを出してエリナの部屋を急遽整えた。

 頭の回る彼は、巣を作ってしまえばそこから動きたくなくなるという、獣人の本能を利用しようと考えたのだ。

「現れ方が異常だったし、あの子猫はなにか秘密を隠している。それがなにかわかるまでは、観察している必要がある」

 新米お父さんとして、微妙なお年頃の女の子を面倒をみるのは、王都の警備隊長であり、スカイヴェン国の高潔な騎士であり、そして……カルディフェン・ラーダ・スカイヴェンという、王家に属する者としての彼の仕事であった。
< 95 / 209 >

この作品をシェア

pagetop