花のようなる愛しいあなた
一行は二条城を発ち、豊国神社へと向かった。
京都所司代の板倉は市民達に行列を見ても集まったり騒いだりしないようにお触れを出していたのだが、いわば見たこともない豪華なパレードである。
見るなと言われれば言われるほど見たくなってしまい、大通りにはいつの間にか人が溢れていた。

大仏再建に併せて豊国神社も改修工事を行っていた。
美しく彩られた唐門は一か月前に出来上がったばかりである。
秀頼は唐門の前で駕籠を降り、唐門をじっくりと拝んだ後に一礼をして門をくぐった。
「これほどまでに立派なものが…」
一同は豊国神社でお参りと秀吉の墓参りを行った。
「太閤殿もかように立派になられた秀頼様を見て喜んでおられることじゃろう」
家康は感慨深そうに言った。

次に一行は敷地内の大仏の出来上がり具合を視察した。
大仏に関しては圧巻であった。
まだ土台の型が出来上がったに過ぎない。
しかしその迫力には圧倒されてしまう。
大坂城の天守閣とどっちが大きいか悩むレベルである。
「これは…すごいね…」
「ここから型どりいたしまして、鋳った後に金を施しまする。
来年には完成する予定となりますので楽しみにしていてくださいませ！」
片桐は興奮している。
「そうか…。楽しみだ」
秀頼も静かに興奮していた。
「大仏が出来上がれば人心の礎となり国がより良くまとまりましょうぞ。
これからも我ら力を合わせ世の安寧のために尽くしましょうぞ！」
家康が力強く言うと秀頼も頷いた。

最後は秀頼と家康の二人が握手をしてお開きとなった。
一行が豊国神社の唐門を出ると予想もしないことが起こった。
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