花のようなる愛しいあなた
家康は公家衆が帰った後に側近の本多正純と京都所司代の板倉勝重に向かって言った。

「公家であるならば、あの堅固な城は必要ないのう」

本多正純とは、参謀と謳われた本多正信の息子である。
正信ほどではないが、家康の意を汲む事に長けている。

「はっ、すぐに手筈を」

敢えて口にはしていないが、家康を完全な権力者にするために本多は骨太の方針を打ち出していた。
1.豊臣家の力をそぐ
2.朝廷の力をそぐ
3.徳川家以外の大名の力をそぐ

まず、豊臣家の力をそぐために必要なことは以下の通りである。
1.財力をそぐ
 ・石高を減らして収入を減らす
 ・散財させる→寺社復興をどんどんやらせる
 ・天下普請にも参加させる
2.地位を奪う
 ・右大臣を辞めさせる
 ・徳川に臣下の礼を取らせる
3.孤立させる
 ・豊臣と仲良くしようとする大名に圧力をかける
 ・豊臣と仲良くする公家に圧力をかける
 ・”豊臣を大切にしようとしているのに徳川家が邪険に扱われていてひどい”という世論を作る

以後本多はそれを愚直に実行していく。
板倉勝重は京都で街の警備や治安維持に努めながら公家の動きを監視して圧力をかけていく。
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