身代わり王女の禁断の恋
そして、最前列右側には、アルフのお母さまである大后陛下。

その隣に、国王陛下と王妃陛下。

その後ろにフルーナ王女殿下。

揃って参列してくださっている。

さらにその後ろに大公以下諸侯がズラリと並ぶ。


私は、その大勢の視線が集まる中、ゆっくりとアルフのもとへと歩んで行く。

ドキドキ… ドキドキ…

緊張で足が震える…

アルフの少し手前で歩みを止めたクラウスの手を離し、私は一人で一歩踏み出す。

足が震えて、転びそう。

それでもなんとか、穏やかに微笑むアルフの腕を取り、神の御前で永遠の愛を誓う。


私は晴れて、クリスティアーネ・ディートリンデ・フォン・シュルツとなった。


神に祝福され、互いの母に祝福され、その上、あの国王陛下にも祝福していただいて、私は世界一幸せな花嫁ではないかしら。


私は、生まれて初めて幸せの涙を流した。
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