身代わり王女の禁断の恋
そして、その翌日、王女殿下とクラウスの婚約が発表された。

大公以下諸侯は寝耳に水とばかりに、国王陛下に真偽のほどを確かめようと、宮廷に押しかける。

大公は、クラウスを養子とすると息巻き、王女殿下の廃太子を阻止しようと画策を始めた。

公爵はほくそ笑んでアルフを王太子にと訴えた。


しかし、国王陛下は、すでに全てをお決めになられていた。


クラウスを公爵とし、フルーナ王女殿下を降嫁させ、アルフを王太子とする。


ただし、アルフには、義祖父に当たる公爵を政治に干渉させないことを確約させた。


それもこれも、フルーナ王女の熱心な説得があればこそ。

フルーナ王女のお陰で、アルフに対する国王陛下の頑ななお心にも雪解けの兆しが見え始めている。

この先、アルフが王太子として政治に関わるようになれば、さらに関係は好転するのではないかしら。


かくして、王女殿下の婚約発表から40日後、特段の異議申し立てもなく、無事、結婚式が行われた。


これで、私が王女殿下もとい、公爵夫人の身代わりとなることは、二度とない…はず…よね?


王女殿下の身代わり…

大変だったけど、引き受けてよかった。

そのおかげで、私の大切な人と出会えたんですもの。


今まで、私を支えてくださった方々に感謝を込めて…


私を愛してくれるアルフに、生涯変わらぬ愛を
誓います。

アルフ、愛してる…


─── Fin. ───
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