身代わり王女の禁断の恋
「あなたは、あの場で何を言うおつもり
でした?
自分は王女じゃない。
王弟殿下は無罪だと?
馬鹿馬鹿しい。
そんなことを言ってどうなります?
諸外国の王子と踊ったのは、偽物の自分だと
公表するおつもりですか?
そんなことをすれば、我が国はお終いです。
あなたのその浅はかな考えで、全国民を
危険に晒すのですよ?」

確かに私は、国民のことなんて、全然考えてなかった。

アルフさえ、救えればいいと思ってた。

「アルフは!?
アルフはどうなったの?」

クラウスは、明らかに嘲るように、冷ややかなため息を吐いた。

「この後に及んで、まだ王弟殿下のことを
御心配なさるのですね。」

「当たり前じゃない。
クラウスにはないの?
自分より大切だと思える人に
出会ったこと。」

すると、クラウスは一瞬、目を見開いた後、静かに答えた。

「私の一生は、王女殿下に捧げて
おりますから。」

それって…

私は言葉を失った。

クラウスの言葉に、職業以上の何かを感じたから。

クラウスもまた、報われぬ思いを抱えてるのかもしれない。

「あなたがもう一度、王女殿下の影として
生活すると言うなら、すぐにここから出して
差し上げましょう。」

それは…
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