君へ、愛の歌
顔を下げていると、頭に手がぽんっと手が乗っかってきた。

彼の顔が気になるがそれどころではない。

「こんな小さいんだから、心配だよ。だから、ね?」

奏くんはずるい人間だ…。

そんな優しく言われたら断れるはずがない。

「わかった。ありがと。」

ニコッと微笑む。


男子と帰る勇気もない楓は、初めてのことだった。

ドキドキしながら、肩を並べる。

小さく降る雨がその時は美しく見えた。
< 2 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop