君の隣でみる夢
「そんな・・・」
夏子はしばらく言葉を発せなかった。
「俺のことも覚えてないんだ。両親のことも。」
「ずっと思い出せないままなの?」
「わからない。でも、希望は持ってる。」
永遠の言葉に夏子は少し考えてから永遠にお願いした。
「ずっと連絡がつながらなくて心配していたの。よかったらまた会えないかな?」
夏子の必死な様子に永遠は頷いた。
「明日俺休みなんだ。明日は急すぎ?」
永遠の言葉に夏子は首を横に振った。
「明日、公園で」
夏子は約束すると柚葉に「じゃあね・・」と遠慮がちに声をかけてその場を離れた。
「柚葉」
永遠は自分の背中に張り付いて震える柚葉の方を見た。
そして柚葉の体をそっと抱きしめる。
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