君の隣でみる夢
永遠に抱きしめられるうちに柚葉の震えは収まった。

その夜、永遠が柚葉の家で暮らすようになって初めて柚葉は夜中に叫び声をあげてパニックに陥った。慌てて永遠が柚葉の部屋に駆け込む。そこにはベッドの上で自分の両腕をきつく抱くようにして震える柚葉がいた。
永遠が柚葉の体を抱きしめても柚葉は落ち着かず、どんどんと呼吸が荒くなる。
「柚葉?」
柚葉の両親も部屋に駆け込んできた。
「おじさん、紙袋ください」
柚葉は過呼吸になっていた。
永遠は柚葉の口に紙袋をあてて柚葉に声をかけ続ける。


少しして疲れ果てた柚葉は永遠の腕の中で眠ってしまった。
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