君の隣でみる夢
「出産前、最後かな」
柚葉は夕日を見ながら永遠に聞く。
二人は夕日をベンチに並んで座り眺めていた。

そこは二人の思い出の場所でもあるひまわり畑。
今は季節が終わりひまわりはなかった。

それでも二人には心が安らげる場所で、柚葉にとっては懐かしさを感じられる唯一といえる場所だ。

寒くないようにと柚葉の膝にブランケットをかけて、肩を抱きながら永遠は前を見つめる。

「永遠」
「ん?」
不意に柚葉に呼ばれて柚葉の方を見ると柚葉は永遠の頬に口づけた。

「!?」
突然の柚葉の行動に目を丸くする永遠に柚葉は笑う。
「大好き」
最高の笑顔で柚葉は永遠を見る。
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