キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
そっかぁ………………。

そうだよね。

唯だって……………悠君に甘えてばかりで………。

だから、罰を受けようって思ったんだもん。

ズルをしたらダメだよね。

決められた二週間…………。

頑張らないとね。

「うん……………分かった。
唯だって…………罰だもん…………。
頑張る。
後、10日だよね。
そうしたら…………
また唯の所に、帰って来てくれるんだもんね。
………………だったら、頑張れる!
もう嫌われたって思ってたんだもん。
帰って来てくれるなら……………大丈夫。」

「……………ありがとう。
ねぇ唯…………。
寂しくなったら、兄貴を頼って。
この電話も、兄貴のなんだ。
抱きしめる事は出来ないけど…………
出来るだけ側にいるから。
とりあえず、夜の間はここにいるから………
安心して眠って。
どうせ怖くて………
まともに寝てないだろう?
俺に恩情をくれたのも…………
唯が睡眠不足と栄養不足で倒れそうだと心配してだから。
みんな、俺に怒っても………
唯が泣くと、俺にも甘くなるんだよ。
だからホントは、明日から一緒にまた生活出来るんだけど………
敢えてしないだけだから。
ごめんね。
ワガママ言って。
だから…………寝る時くらいつき合うよ。」

悠君の声を聞いていたら…………

『唯は大丈夫だから、帰ってゆっくり寝て』って言いたいのに。

瞼が落ちてきた。

久しぶりの声と悠君の温もりの枕に包まれて…………

瞼が完全にくっついた。

「唯…………おやすみ………。」って…………

聞こえたような気がする…………………。
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