キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
悠君…………助けて!!!

携帯を握る手も白くなるほど強く握って…………

悠君の事だけを考えて、祈っていたら。

「…………………………やっぱり泣いてる。」って………………。

えっ!?

………………………………………………。

悠………………君?……………。

以前、彩ちゃんの事で『別れよう』と言った時。

夜中に泣く唯に

同じように言って…………電話をしてくれたの。

……………………………………バッ!!

ベッドから勢いよく飛び出て……………

窓を覗く。

……………………………………。

「悠君~」

泣きじゃくりながら、急いで玄関に行こうとすると……………。

「唯………………待って。」って。

窓から見える悠君の車も

夜の電話も…………あの時と同じなのに。

玄関で会う事だけ…………止められた。

「……………………どうして?」

会いたいよ。

こんなに側にいるんだよ。

ギュッとして。

ヨシヨシって………頭を撫でて。

「ごめん。
今の俺に、まだその資格はないんだ。
さっき…………北海道から帰ってきた。
ホントは…………二週間の予定だったけど。
唯も頑張ってくれるならって…………ちょっと恩情してもらった。
けど…………
俺は、まだまだ唯を守れる男になってない。
直ぐにヤキモチ妬いて、泣かせたり…………。
唯を守るどころか…………大切にすら出来てない。
だから…………
この二週間は…………自分の試練に耐えようと思ってる。
唯を一人にして………申し訳ないけど。
もう少しだけ………待ってて欲しい。
直ぐ側には居られないけど……………
ずっとずっと、唯の事だけ思って頑張るから。」
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