キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「ねぇ~先生。
鞄に入れる物って……………」

明日からの荷物をまとめているはずなのに………

何か強い視線を感じるの。

??

「なぁに?」

首を傾げる唯に

「誰?」って。

「誰じゃなくて~
入れる物って、なぁに?って聞いてるんだよ?」

「うん。
だから、誰?」

……………………???

誰??

………………………………あっ。

「………………ごめんなさい。
悠君……………。」

シュンとする唯の頭を撫でてから。

「もう夫婦だからね。
悠君って呼んで。
間違えるなら………『悠人』ねっ!
そうだなぁ~
旅行中間違えたら、罰ゲームにしようか?
なんだったら、お仕置きでも良いけど。
ちょうど一年前と一緒だね。」って……………。

一年前っていうのは………

初めて悠君の実家に行った時の事。

家族に『先生』って呼んでるのを聞かれるのは恥ずかしいから

『悠君』って呼ぶ約束したんだよね。

結果は……………。

悠君との交際のお話しを一生懸命していたら

『悠君』って呼ぶことを忘れて『先生』って。

悠君に『もういいよ。』って言われてしまって…………。

罰ゲームだったんだ。

懐かしくてクスクス笑っていたら。

「罰ゲームにお仕置きで………
余裕だね~
ちなみに明日から新婚旅行だからね。」って。

………………そうだった。
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