キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
正直に話した唯の頭を撫でて。

「えらい、えらい。」と言ってくれた。

「あのね。
本当に…………嫌かどうか………分からないの。
お嫁さんになった時から…………。
それまでとは………違うって、自分でも思ってて。
悠君の赤ちゃんが欲しいのも本心だし………。
今までは………
誰にも触れあえず
男の人は怖い者だって思ってきたんだけど。
悠君に出逢って………。
手を繋いだり、半分こしたり………キスしたり。
一緒に寝ることだって出来るようになって………。
だから。
悠君となら、赤ちゃんだって望めるのかな?って。
でも……
それでもやっぱり、怖くて不安で
先に進む勇気が持てずにいて。
『待たせてるなぁ』って思うと…………どうしたら良いか分からなくなったの。
明日は、新婚旅行。
行き先は………
去年唯が不安になって、一緒に歩く事が出来なかった長崎。
今度こそ………
二人の楽しい思い出が欲しくて………揉めたくなくて………。
ウソをついちゃったの。
…………………ごめんなさい。
唯は…………
悠君には、何時だってワガママだよ?
嫌いにならないか不安になるくらい。
今はワガママだから…………ウソをついちゃったの。
答えを先送りにしたくて…………」

「そっかぁ。
良かった。
唯はちゃんと、ワガママが言えてたんだね。
だったら、先の事なんて悩まないで………
明日からを楽しもう。
今までだって。
なんとなく先に進んだでしょう?
多分、ここから先だって……
時がきたら、自然にそうなるよ。
俺……一応旦那さんだし。
ちゃんとリードするから
唯ちゃんは気にせず楽しい事だけ考えて。」って………
< 218 / 398 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop