キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
ひとしきり笑って。

「ところで、このキスマークはどういう事?」と

一つトーンを落とした海晴ちゃんの声。

キスマーク??

キスマークって…………

恋愛小説でも時々出る…………あれ??

それが………………

さっきお兄ちゃんが差した指にあるの???

……………………………………!!!!!!!

「悠君!!!」

さっきみんなが見つめた時のバッ!が、比じゃない程勢いよく

バッ!!って

首を押さえて、悠君の胸に顔を隠した。

「「「「えっ?!
ウソ……………やっぱり???」」」」

固まるみんなに。

「いや…………何にもないから。
唯………大丈夫だから顔を上げて。
ごめんね。」って、ポンポンて撫でてくれる。

「唯ちゃんは………キスマークって気づいてなかったの。
みんなには黙ってたんだけど…………
兄貴に頼んで、ハウステンボスでウエディングドレスの写真を撮って来たんだ。
式に使えたらっていうのと。
せっかくなら、いろんな唯ちゃんが見たかったからね。
幼稚園で式だと、一枚だけだし。
2日目が撮影だったんだけど………
思ったより激しくて………お嬢様は筋肉痛。
今日動きが変なのはそのせいだから。
撮影があるのに、手なんて出せないよ。
それに、みんなと約束してるし。
バージンロードは、いまのままの唯ちゃんで歩かせたいからね。」

「ちょっとお兄様。
格好良い事言ってますが……………。
それとキスマークは関係無いよ?」

尋ちゃんの鋭い突っ込みに

「ホントよ!」

「唯ちゃんのウエディングドレスに
ウッカリ騙される所だった。」と再び賑やかに。
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