キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「いやぁ~
だから…………それは……………。」

しどろもどろな悠君の代わりに

隠してた顔を少し上げて…………。

「それは…………唯が望んだからなの。
キスマークって………
小説でしか知らないし。
気づかなくて驚いたけど。
唯は、お嫁さんになって………新婚旅行だから………
そうなって良いって思ってたの。
だから……悠君にお願いしたんだけど。
『まだ待つよ。』って言われて……………。
魅力が無いのかな?って落ち込んだけど………写真のためだったの。
キスマークは多分…………唯に『大丈夫だよ』って
教えてくれるためだと…………………。」

多分間違いない。

だって「もういいよ。」って

再びギュッて抱きしめてくれたから。

「そっかぁ~」

「唯ちゃん、幸せ?」

コクンと頷く唯に

「良かったね。」って………。

結婚して、お嫁さんになって。

新婚旅行だって行って………………。

なのにエッチすら出来ないのに…………。

悠君もみんなも………

誰一人責める事なく。

いまのままの唯で良いよって………受け入れてくれる。

このままずっと甘えてる訳にはいかないけど………

もう少しだけ

このぬるま湯のようなポカポカした温かさに包まれていたいな。

大人になるのは……………

もうちょっと。
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