キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「下手に隠そうとするからいけないんだよ。
唯ちゃん、おいで。
もう種明かしするよ。」って先生。

どうやら、やっと教えてくれるみたいだから先生の側に行く。

いつもの膝に乗せられて

「あのね、昨日唯ちゃんを一人帰したでしょう?
いつもは、俺の車で帰るか
俺が遅くなる時は、みんなの所で待って帰るのに。
昨日は、俺が遅くなるから………
ホントだとみんなと待ってるはずだよね?
それをしなかったのは………」

「「「「「唯ちゃん、お誕生日おめでとう!」」」」」

えっ?!

あっ…………誕生日。

「ホントは、ここで3人と先生でお祝いしようと思ってたんだけど。
洋ちゃんが、自分たちも参加したい!って言い出して。」

「洋ちゃんだけ悪者にしないでよぅ。
コウだって唯ちゃんのお祝いをしたい
おまけに、先生と一緒に出てるから待っててって………」

「要約するとね。
いつものメンバー………まぁ、梓ちゃんはいないけど。
とにかく、三人と俺でナイショでお祝いしようと思ってたの。
ナイショだから幼稚園で用意しようと思って
彩ちゃんが『遅くなる』って洋ちゃんにメールしたら
自分も参加したいから、ウチで準備しようってことになって。
海晴ちゃんもコウに『洋ちゃんの所で準備する』って伝えたら
俺と出てたから
『もうすぐ終わるから、行くのを待ってて。
自分も一緒にしたい』って言い出して。
一緒にいた俺まで参加させられて、遅くなったの。
だから、みんなで『ごめんなさい。』って。
唯ちゃんを喜ばせるつもりが、怖がらせたから。」
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