キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「そう言うことだったんだぁ。
だから、洋介さんやコウ君達も一緒だったんだね。」

納得。

怖かったけど

みんなが私を喜ばせようと思ってしてくれてたって聞くと。

そんな事忘れちゃったよ。

「ありがとう。
忘れてたけど………嬉しいよ。」

「みんな唯ちゃんが大好きだからね。」

みんなのホッとする笑顔に

昨日のことも、強引な集まりにも気づかなかった。

ホントは…………

バースデーが、後付けの理由だったのに。




バースデーから一週間。

とにかく世話を妬かれるの。

元々唯には甘いメンバーだけど…………

そんな唯でもびっくりする程。

先生に至っては、今どこメールと電話の嵐。

昨日なんて………

朝は、一緒に車に乗ってお仕事に行き。

ひよこ組は、朝の活動の後お散歩に行くのが日課だから………

四人のチビちゃん達も大分慣れ、輪っか付きのヒモを持って

並んでお散歩出来るようになったの。

前のヒモを私が持って、後ろを手の空いた先生が持ってくれ

その間を四人が並ぶ。

大概は、主任先生がついてきてくれるんだけど。

園バスを洗ってた手を止めてまで、先生がついてきたの。

それだけでも驚きなのに。

お昼のお弁当を取りに職員室に戻ると

「お昼からの予定は?」って先生に聞かれて

「畑でトマトにお水をあげます。」と答えると

「俺も行くから行く前に声をかけて。」って…………。
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