キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
尋ちゃんの会話に、違和感を持ったものの

直ぐに話しがそれて

ドレスと二次会の話題になったから

いつの間にか忘れてたの。

「尋ちゃんのウエディングドレス姿………キレイだろうなぁ~」

電話を終えて、一人呟いていたら

「唯もキレイだろうなぁ~」と

はにかんだ笑顔で、後ろから抱きしめられた。

「あっ、先生。
お風呂出た………」

チュッ。

「また、先生って………
お仕置き。」って再びキスをされる。

幼稚園で『悠君』って呼ばないように意識してたら

ついお家でも『先生』って呼んじゃうんだよね。

「もしかして、キスしたくてわざと呼んでる?」

「違うよう~」

からかう先生に赤くなっていたら。

ヒョイっと膝にのせて

「尋ちゃん、何だって?
式の相談だろう。」って。

「うん。
やっぱり、チャペルに決めたみたい。
ベールの裾を長くするって言ってたよ。
後、二人は禁断の恋だったし
学生結婚だから、招待状は出さずに自由に参加してもらうって。
だから、披露宴を兼ねてレストランで
親しい人達だけで、お食事会をするって………。
あっ、そう言えば変な事言ってたなぁ~
尋ちゃん………。
『お父さん達に、最後の親孝行になる』って。
どういう意味かなぁ??」

さっき引っかかった事を先生に告げると

「結婚すると家族の形が変わるからじゃないのかな?
親子である事には、代わりないけど。
唯は、俺と。
尋ちゃんは、和君と家族になるから。」

そっかぁ。

納得。

だったら、確かに最後だよね。

だって二人共、結婚するんだもん。

結婚式を早めるホントの意味のヒントが

尋ちゃんの言葉に隠されてたなんて

想像もしなかった。

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