キンダーガーテン五      ~ここが居場所~
「うわぁ、今日は俺の好きなひじきの煮物!
鯛の塩焼きまである!!」

「うん、ごめんね。
ホントは、週末に作ったら日本酒と一緒で良いんだけど。
ちょっと遅くなったから……手抜きの焼き魚にしちゃった。
少しだけ……飲む?」

ホントは

先生の好きな和食は、週末にしてお酒と合うようにしてるんだけど。

今日は、愛里ちゃんママと話してて遅くなったから

使っちゃったんだよね。

「いやいや、美味しいおかずは何回でもいいから
気にしないで。
それに、週末は唐揚げを頼むつもりだったから
丁度良かったよ!!
そろそろビールにしようかなって思ってたんだ。
それに、ひじきの煮物は白いご飯に混ぜて食べるんだぁ~」

子供のようにはしゃいでメニューについて語る先生に

再び申し訳ないなぁ~って思いながら………

「ごめんなさい!!
おまけに、ご飯が炊き込みなの。」と

今日は、ホント裏目に出ちゃった。

落ち込む唯に

「嫌、それはもっと良いよ!
だったら、悪いけど…………
ちょっとリクエストしていい?
ひじきの煮物を半分明日用に置いといて
今日分は、玉子焼きに混ぜてもらえない??
ひじきと卵って美味しいんだよね。
明日は、ご飯にのっけて食べたら二倍美味しく頂ける!」って。

ホント、先生らしい。

いつも前向きな提案をしてくれる。

直ぐに落ち込む唯と、それを引き上げてくれる先生。

先生の隣にいられて、ホントに幸せだね。

「あっ!それ良い考えだね。
一つで二度美味しいね!!」

唯も先生と一緒だと、ちょっとずつだけど前向きになれてる。
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