宇宙で一番☆幸せな政略結婚


「予定日は来年の4月30日頃だって、言われたそうだよ」


「4月? 」

「じゃあ、もう3ヶ月過ぎているの? 」

 竜太と聖香は顔を見合わせた。

「3ヶ月・・・」

「あなた達、結婚してまだ2ヶ月じゃない? 」


 竜太と聖香がきょんとしていると。

 聖竜は・・・

「ごめん、父さん、母さん。実は、結婚式より前に、あるとと会ったんだ」


「え?! 」

 竜太と聖香は驚いて目を丸くした。


「偶然だったんだ。俺が飲みに行った時、あるとが一人で来ていて。その時は、お互いに名前も名乗らなくて知らなかったんだ。結婚相手だなんて」


「あ! 思いだした。そう言えば、聖竜が外泊した時あったじゃない? まさか、その時? 」

「ああ・・・」


 また、竜太と聖香は顔を見合わせた。

 が・・・


「ま、いいか。どちらにしても、聖竜とあるとさんの子供なんだ」

「そうね。運命の巡りあわせなんだから。仕方ないわよ。偶然も重なっているし」

「そうだな」

 
 と、竜太も聖香もあっさり納得してくれた。


「これから忙しくなるわよ。あっと言う間に、産まれてくるわよ」

「そうだな。子供部屋も考えなくてはならんな」

「それよりベビーシート買わなくちゃ」

「そうだな、ベビー用品もいるな」


 竜太も聖香もちょっと気が早そうだ。

 無事に妊娠の報告もできて、一安心。

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