幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
部屋に戻り、キッチンで夕食の準備をしていた。


王子様と先に再会していれば良かったのに。

冷たい蒼斗さんよりも優しい王子様の方にキモチが少しだけ傾いた。
私はポテトサラダを作ろうと鍋で皮ごとじゃがいもを温めていた。

「!?」

急に激しい腹痛が下腹部を襲った。

私をコンロの火を止めて、お腹を押さえ、その場に蹲る。

初めて味わう激痛に額に脂汗が滲んだ。

この痛みは流産の兆候かもしれない。

私は下腹部を抑え、リビングのソファに置いたスマホを手にした。
そして、指紋認証して、蒼斗さんに電話を掛ける。

「もしもし・・・」

――――この声は桜さんですか・・・どうかされましたか?

王子様・・・

焦っていた私は蒼斗さんではなく王子様に電話を掛けていた。



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