幻想ウエディング～人魚姫には王子様の甘いキスを～

桜華さんは一家の生活費の為に人身売買で儲けているブローカーに売られたと言った。
連れて来られた先は香港で、闇街の売春宿で働いていた。

でも、その生活に嫌気が差し、逃走を図ったが、失敗して宿に連れ戻され、その際に二度と逃げられないようにと足の腱を切られ、歩けなくされたらしい。
足が不自由になった桜華さんは臓器目的の組織に売られそうになり、賀集さんに救われ、この夢街に来た。

私以上に彼女は過酷な人生を歩んでいた。

「桜華さんの方が私よりの辛い人生を歩んで来たんですね…」

「桜さん貴方だって…」


二人で互いに自分の人生を振り返りながら、同情し合った。

「でも、私はようやく…幸せを手に入れられそうよ…桜さん」

桜華さんは大きくなったお腹を摩った。

相手はマフィアのボスだけど、彼女にとって賀集さんは王子様なのかもしれない。