幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
この子の為にも戸籍は必要。
このまま、この子を産めば、私と同じ苦労を重ねる。
彼の申し出はとっても嬉しかった。

「戸籍さえあれば、職にもありつけるさ」

「でも、私には学歴がありません・・・」

「学校に進学したいなら、サポートしよう」

「・・・どうしてそこまで私に良くしてくれるんですか?」

「俺の仕事に協力した報酬だ・・・」

彼は何食わぬ顔で返して、もう一口コーヒーを啜った。

「それよりも君の話って何?」

「私の話ですか?」

「うん、俺の話は終えた」

「それは・・・私のパトロンになって欲しかっただけです」

「パトロン?」

「私・・・デリヘルに転職しようかと思っていたから・・・」

「密室で見知らぬ男を相手するんだ。
危険を伴う仕事だから辞めた方がいい。現に、三年前、ホテルの一室で、デリヘルが殺された事件あったからね。俺は別に君を相手にしなくても、間に合ってる」

本音は彼にパトロンではなく、パパになって欲しいと言いたかった。
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