幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
「まずはこの書類を持って法務局に相談する」

「はい・・・」

「君は家を出てから家族に全く連絡していなかったようだな」

あそこには私の居場所がなかったから。

実の父親は無職の上、酷いDV男だったと母から訊かれた。
私を身ごもった母は命の危険を感じて身一つで逃げ出し、私を産んだと言っていた。
私を無事に出産したのはいいけど、父に居所を知られたくないが為に出生届を役所に提出しなかった。

その後、二人は離婚。母は私が十歳の時、別の男性と再婚した。

二人の間には息子が生まれ、その際に私の出生届の相談をしようと役所を訪問したけど、自身が罪に問われるのを恐れ、断念した。

新しい家庭を築き、幸せそうな母を見ていると強い疎外感が生まれ、私は無戸籍のまま、家を出て行った。


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