夜明けのレモネード
いい匂いがする。


これ、知ってるーー。


ふらふらしながら辿っていくと、綺麗な人があっと小さな声を上げた。丁度盛りつけも終わったらしく、テーブルの上はまるで芸術品のように、美しく彩られている。



「よかった。今、呼びに行こうと思ってて」

「……なつかしい匂いがしたの」


思わず涙がこぼれた。困らせるかもしれないとわかっててもーー。


「……うん」


「なんで、私を置いていっちゃったの……?ごはんだっておいしくないし、お店もくたびれちゃったし、……ひとりぼっちになっちゃった……よぉ」


もう、限界だーー緊張の糸がぷつんと切れたように、とどめなく涙があふれる。


はじめてだ、こんなにも誰かに思いを口にしたのは。
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