夜明けのレモネード
ゆらゆらと優しく揺れる。懐かしいような、少し胸が痛むような、複雑な気持ちだ。


もう、この揺り椅子の主はいない。



思わず小さなため息がこぼれる。ちゃんとこの場所が、みんなの笑顔が絶えなかったあの頃のように、戻れるだろうか。



ただおばあちゃんとの居場所を守りたかった。


不安がずっと消えない。ずっともう、誰かと……。



ゆらゆら眠りの海をただよう。


“おや、もう仲良くなったのかい。そうかいそうかい”


“うん!今日はくーちゃんとお庭でね、お茶会するの。お菓子焼いてくれる?”


“いいよ。そのかわり、おばあちゃんも仲間に入れておくれ。そしたらなんでも好きなもの作ってあげるから”


おひさまのように眩しくて、こもれびのように優しい笑顔。
< 11 / 12 >

この作品をシェア

pagetop