元姫は辛くても笑う
side祐飛
おかしいと思ったんだ。
見ず知らずの奴を庇って自分が怪我するなんて。
気づきたのはついさっき、手を握った時だった。そこからよく考えると、匂いや声、喋り方が変えてるつもりかもしれないけどそのままだ。
だから手当をすると言って、連れ出した。
「違うでしょ?罪をかんじてるから」
「!!」
そういうと、驚いた顔をする。
すると、下を向いた。
今日の今日で、なんでそんなことをわざわざするのかわからない。
「気づいてたんだ……」
「あぁ。当たり前だろ莉子。」
分からないわけが無い……
だって、、、好きな女だからな……
なんで、言わなかったんだろ?と思うが一応罪を感じてるんだろな。だから、秘密にしてた感じだな。
でもさすがにやりすぎたろ……
あれくらいなら耐えられたのに………。
そこがいいんだけど………
お節介……
「なんで、あんなことしたんだ?」
「……困ってたし。」
「あれくらいで、俺がへばると?舐めてんの?」
そういうと、体をビクッと揺らす莉子。
……、そんなに弱く見えてたか?
それとも全く信用されてなかったか?
「ゆう……じゃなくて黒崎、あの状況で手出せないし。私なら……違和感ないと。」
「……」
一般人がまず、止めに行くこと自体不思議だけどな。
しかも、、、初めて知ったが、如月のお嬢様。そんな奴が……莉子なんてな。