元姫は辛くても笑う
「ちょ、大地君怖いよ……」
「は?この中で一番強い莉……」
「ちょ!?先輩!……シーっですよ!」
小さな声で注意すると、近すぎたせいか、バッと、離れる十夜先輩。
「十夜〜後輩と何いちゃついてんの?」
「葉月……黙れ。」
「おい、十夜殺すぞ。」
怖いですって……。
でも、、いつの間にかこの空気は笑いに包まれていた。
もしかして、わざとしてくれたのかな?
十夜先輩に抱きつく。
「っ…!」
「ありがとうございます。」
「あ〜!十夜に持ってかれた〜」
「隼黙れ。」
はぁ……ずっとこうやって楽しくしていたい。
本気でそう願った。
だって、今日は……嫌なことが立て続けにあるから。
その後、いつもの家には帰らなかった。
ガチャッ!
嫌だな……、
中に入ると今日は玄関にいた。
……お母さんが。
「おかえり。着替えて。今日は如月のパーティーがあるの。一言喋って頂戴」
「わかった。」
また……か。
「あ、莉子!!お帰り〜」