冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました
「でも、安西部長が忙しいならひとりで行こうかと……」

「おい、知らない土地をひとりで歩くなんて危ないだろ」

お気遣いなく。という意味だったのに、ジロッと鋭く睨まれてしまう。

「……少しだけだぞ」

「い、いいんですか?」

結局、「忙しい」なんて言われて断られると思っていただけに意外だった。一気に嬉しくなってつい腰を浮かせてしまう。

「お前が言うようにプラン以外にもPRポイントを取り入れなければって言ったのは俺だからな」

「ありがとうございます! 時間を作っていただいて。安西部長、なんだかんだ言って優しいですね!」

心の中で思わずガッツポーズしてしまうくらい気持ちが浮かれる。そんな私を見て安西部長はため息交じりに微笑んだ。

花火大会に行くことが嬉しいのか、それとも安西部長と一緒だから嬉しいのか……それは自分でもわからなかった――。
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