世界No.1の総長と一輪の花 II
「花莉が持ってるの分には嫌じゃねぇよ。むしろサインとか欲しがってくれて嬉しいし」
ぽんぽんと優しく頭を撫でてあげると、花莉は顔を上げて「…ほんと?」と少しだけ瞳を潤ませる。
「あぁ」
俺の返事で安心したような表情になり、
「…良かった……実はね、まだたくさんあるの」
と言ってまた立ち上がって走って行く。
…花莉の写真もまた出回ってそうだな……
今度片付けに行くか。それで商売されたくねぇし
何より花莉の写真が他の男の手に渡るのが嫌だ。
元世界No.2の暴走族"鳳凰"との抗争の時、俺は花莉と離れた。その時だって花莉の物が盗まれて、男たちの間で売買されていた。
教科書とかジャージとか、今はもう取り返したから安心…だけどまたいつ狙われるかもわからねぇ。
俺が全力で花莉を守る。
二度と花莉に辛い思いをさせないように…