世界No.1の総長と一輪の花 II
ゆっくり撫でてくれる彼女の手が優しくて、温かくて……なんだか安心する。
「…前から思ってたけど、詩優の髪ってさらさらしてるよね」
「そうか?」
「うん。ワックスとか使ってないよね」
「まぁな。中学の時は使ってたけど」
「え!?」
「髪ツンツンに立たせてた」
「見たかった…!!」
花莉は頭を撫でくれていた手を耳に滑らせる。耳の形をなぞるように触って、つけている赤いピアスと花莉にもらったイヤーカフを突っつくように触る。
「あの頃の写真とかねぇからな……
あ、もしかしたら京子なら写真のデータ持ってるかも」
京子はよく雷龍での写真とか撮ってたし……
持ってる確率は高いはず。
「京子に言ってみるね!!」
花莉は嬉しそうに言って、また俺の頭を撫でる。
まじで犬になった気分。
これも悪くねぇな。
今日はたくさん花莉に甘えよう、と心に誓った。
詩優side.end