世界No.1の総長と一輪の花 II
*
ピリッとした痛みが走った気がして、パチっと目を開けた。
目を開けたのに…
まだ夢の中にいるのかと思った。
だって、
目の前には大好きな彼がいるんだから。
「おはよ」
彼はにっ、と笑う。太陽みたいな眩しい笑顔で。
夢か現実か、そんなことを確かめるよりも…会いたかった彼に会うことができてとにかく嬉しくて。ぎゅっと詩優に抱きついた。
詩優の体は大きくて温かい。
それから、ほんのりいい匂いもする。
いつもの詩優だ。
ぽんぽん、と優しく頭を撫でてくれる優しい手も変わらない。
「おかえりなさい…!」
抱きついたまま声を出せば少しくぐもった声になってしまう。
でも、離れたくないんだ。
「ただいま」
それから詩優も私の背中に手を回してくれて、ぎゅっと強く抱き締め返してくれる。