愛してると3回言って
「ここは俺の家」

「楠木さんの家……」


そういわれて改めて周りを見ると、壁にかかっているスーツが目に入る。

確かにあのスーツ見覚えがある。

男の人の部屋という感じがして本当に楠木さんの家なんだと実感が湧いてきた。


「昨日のことはどこまで覚えているの？俺の家に来たことは覚えてないんだよね？」

「えっと……」

一緒にご飯に行ったところまでは覚えている旨伝えると、楠木さんは頭を抱えだした。


「そっか～うすうす感じてはいたが」

「……私、何かやらかしたのでしょうか」


明らかに何かやらかした雰囲気。


「いや、それは大丈夫」

「気になります。教えてください」

「大したことじゃないから大丈夫だよ」


何度か尋ねてみたが楠木さんは「大丈夫」と言って教えてくれることはなかった。

それに私もいくら昨日の記憶を思い出そうとしても思い出すことはできなかった。
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