愛してると3回言って
「私が言えた義理じゃないけど、【バカ】ね」

「そんな力を込めてバカって言わなくても……」


次の日、職場で夏子を捕まえてご飯に誘った。

私的にはお昼に相談に乗ってもらおうかと思っていたが、「相談するなんて珍しい、じっくりと聞きたい」といわれてしまい、お昼時間は何も話せなかった。

夜は子供がいるので無理だと思ったが、旦那さん(同期)と相談してくれて、定時後に時間を作ってもらった。

そして今、夏子にすべて話し、バカと言われている。


「それは確実にアウト。柊佳は何も着ていなかったんでしょ?」

「うん」

「ついに柊佳も食われちゃったかー」

「ちょ、ちょっと!」


何の恥ずかしげもなく言うもんだから、慌てて彼女の口元を押させる。

誰かに聞かれかもしれないと周りを見るが、特にこちらを見ている様子はない。

それに少し安心した私は小声で夏子に話す。


「そんな堂々と言わないでよ。私自身現実を受け止められてないんだから」

「はいはい。ごめんごめん」

「守るつもりだったのに……」

「あんたまだそんなこと言ってるの?」

「大切だよ!重要だよ!」


思わず声を大きく体を前のめりにして話していた。

その行動が逆に注目を浴びる。

先程夏子に注意したばかりなのに、何をやっているんだか。
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