愛してると3回言って
「でもまあ、少し考えてみたら?」

「え?」

「【責任を取る】とか【もっと東堂のことが知りたい】とか言われたんでしょ?」

「言われたけども」

「このままじゃあんた干からびそうだし、いいきっかけだと思うけど」

「そうかもしれないけど……」

「もう一度食事にでも行って決めたら?」

「……」


夏子のその言葉にとっさに答えることができなかった。

いい人なのはわかっている。

社内での評判も聞くし、全然問題ないのはわかっている。

なのにまるで足を床に縫い付けられているように動けない。

食事をしに行けばどうしても思い出してしまうであろう【責任をとる】という言葉。

一線を越えてしまった義務感からの言葉であることが、私は嫌なのかもしれない。

どこにでもあるような普通の恋をして好きになって結婚したい。

だからなのかもしれない。
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