愛してると3回言って
自分の体が下に行くのを感じながら、そっと話をする。


「……あの、別にどこでもいいと言っても良かったんですよ?」

「そうなの?」

「はい。でも私の精神的に好きな食べ物とかあると落ち着くかなと思って」


私がそう言うと、楠木さんが再び笑いだした。


「ははっ……精神、的!そう来たか」

「なにか文句ですか?」


口を押さえて笑う彼を見ていると、なんだか悔しい気持ちになった。

なんでそんなに笑うの!

笑う要素なくない!?


「いやいや文句はないよ。可愛いことするんだなーって」

「……」


前言撤回。

悔しい気持ちは彼の一言で全て吹き飛んで行った。


「楠木さんは何かないんですか?」

「俺も肉。というか結構お腹空いてるから肉だと有難いな」

「じゃあ」

「肉だな。 いい店知ってるからそこに行こう」

いい店を知っているという彼に連れられて、カフェスペースの前を素通りしたのだった。
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