愛してると3回言って
「……その。なんていうか」


楠木さんは両手で顔を覆っていた。

え、なに?

やっぱり引いた?

そんな顔を隠すくらいってことは引いたってこと?

どうしようとオロオロしていると、そっと両手で覆っていた顔を見せ、今度は口元を手で押さえる。


「……やば」


あれ、引いてない?

表情から引いているようには見えなかった。

じゃあなぜ顔を隠したりしたのだろうか?

ジーっと顔を見ているとばっちりと目が合った。


「あ、ごめん。違うんだ!その、なんていうか。顔が」

「顔が?」

「……にやけてしまって」
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