愛してると3回言って
3.これはあり?
「それで?女性社員からの圧は?」

「いや、昨日の今日だし……」


楠木さんと結婚を前提にお付き合いすることとなった私は、次の日のお昼休みに夏子へ報告をした。

私が楠木さんに自分のことを話せたのも、彼女の一言があったからだし、報告しなきゃとは思っていたが。

何か進展あった?と問い詰められたことが今話すことになった原因ではある。


「でも、そうなると思ったよ」

「私が楠木さんと付き合うこと?」

「うん。だって柊佳迷ってたから」

「付き合わない可能性もあったかもよ?」


そう言うと、夏子は首を横に振る。


「まあ、柊佳は自分のことよく分かっていないからね」

「え?どういうこと?」

「自分の胸に手を当てて考えてごらん」


言われたとおり、自分の胸に手を当てて考えてみる。

自分のことだから自分がよく知っているはずなんだけども。

何がわかっていないんだろうか。


「そういう所よ」

「……言ってる意味がわからないんだけど」

「多分あんたには一生わからないわよ」

「は、はあ……」
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