愛してると3回言って
だから、夏子が色々と聞きたくなる気持ちはわからなくもない。

ないが、こんなに恋愛話になると目の色を変える人だったとは思いもよらなかった。


「社内では隠すの？」


興味津々の目で私に問いかけてくる。


「いや、別に隠す理由ないし」

「女性社員からの目、怖くないの？」

「怖くないって言ったら嘘になるけど、それにビクビク怯えていたら楠木さんのことちゃんと見れない気がするし」


楠木さんが人気があることはみんな分かっていること。

そんな人に彼女が、しかもこんなへっぽこな奴がなっているわけだし、当然風当たりが強くなるかもしれないことは自覚している。

確かに女子の目は怖い。

怖いけど、でもそれを理由に楠木さんがどんな人かちゃんと見れずに、別れるとかしたくない。

結婚を前提にとしているわけだから、いじめ的なことが起きればちゃんと彼に報告するつもりである。
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