愛してると3回言って
定時を知らせるチャイムが鳴る。

今日の仕事が終わったので、帰る準備をしながら晩ご飯の献立を考えていた。

そういえば、家にあんまり食材なかったかも。

今日は何を食べようかな。

時間があるし少し凝ったものでも作る?なんて考えている時だった。


「東堂」


不意に名前を呼ばれる。

声を聞いただけで誰だかわかった。


「どうしたんですか?楠木さん」


声の正体は楠木さんだった。


「もう帰る?」

「はい、帰りますけど……何かありますか?」


仕事お願いしちゃったからその件かな?

閉じたパソコンを再び開こうとすると、楠木さんはそれを制止する。


「あ、仕事の要件じゃないから」

「え?」

「帰るなら一緒に帰らない?ついでにご飯も」

「あ……」


そっか。そうだよね。


結婚を前提に付き合っているんだから、そういうことがあってもおかしくないのか。

さっきの打ち合わせは完全に仕事モードだったから意識していなかった。

まだ仕事モードが抜けきっていなかったため、頭から仕事の件だと思ってしまっていた。


「もしかして用事ある?」

「いえ、大丈夫です」

「じゃあ10分後に下で」

「はい!」


簡単な会話をしたあと、楠木さんは自分の席へと戻っていった。

パソコン持っていたし、あの後も話し合いが続いていたのかな?

そのへんも帰りながら聞いてみよう。

そんなことを考えながら帰る準備を再開する。
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