冷徹部長の溺愛の餌食になりました
「霧崎のことが、好きだ」
ずっと聞きたかったその言葉とともに、久我さんは優しくキスをした。
しっかりと重ねられる唇からは、これまでで一番深く確かな愛情を感じる。
夢みたい、信じられない。そう思いながらも、私はそっと目を閉じてそのぬくもりに身を委ねた。
最初から、互いの想いはここにあったんだ。
だけど、かけ違いや臆病がすれ違いを生んで、遠回りをしてしまった。
最初から、きちんと言えばよかった。誤魔化すのではなく、『代わりでもいい』でもなく。
『あなたが好き』、そのひと言を。
愛しい人の幸せを願い泡になる、そんな人魚姫のようにはなれない。
私は、笑うあなたの隣にいたい。
一緒に笑って、触れてキスをして、いくつもの夜を重ねて。
そしてふたり、柔らかな夜明けを。
end.


