敏腕社長は哀しき音色に恋をする 【番外編 完】
「神崎さん、行きますよ」

ブロンズの重々しいエレベーターに乗り込み、連れていかれたのは25階。

「さあ、どうぞ」

「お、おじゃまします」


足を踏み入れてびっくりした。
リビングにはグランドピアノが置かれていた。

「す、すごい。社長が弾かれるんですか?」

「ん?ああ。昔、親に習わされててね。今はもう、気分転換に触るぐらいだから、飾りになってしまってるけど。
弾きたかったら自由にどうぞ」

そう言うと、社長は意味ありげにこちらを見た。



「あの…社長、やどり木の話って……」

「ああ、それより、先に食事にしよう。
君に無理はして欲しくないから」

「わかりました」


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