real face

嵐の予感

「でね!聞いてよなつみん!!」

「はいはい、ちゃんと聞いてるから。そんなに興奮しないで、まひろん」

今日はなつみんとデート。
ショッピングモールで洋服を見たり、買い物をしたりして楽しんでいた。

今は販促イベントの会場だったイベントスペースの近くにあるカフェでランチ中。
話題は、昨日の我が家でのこと。

「シュウにぃったらね、私がお風呂に入っている間に私の部屋に勝手に入り込んでるの!!信じらんないでしょ?」

思い出したら怒りが再燃してきた。

「それは困ったね。いくら従兄とは言ってもね……」

「それだけじゃないの!私の携帯に勝手に出ちゃって最悪!!」

「嘘!!誰から掛かってきてたの?」

「………………佐伯主任よ」

「えっ……。それはちょっとマズイんじゃない?」

ちょっとどころじゃないよ。
事前にメールしておいて本当に良かった……けど。
私がメールしたからこそ、掛かってきたようなものだよね。

返ってくるとしてもメールだろうと思ってたのに、電話が掛かってくるとは夢にも思わなかった。
その貴重な電話をあろうことか、シュウにぃに取られるとは。

道子伯母さんがシュウにぃを連れ帰ってくれたから、私も暴れ出さずに済んだんだけど、ブチ切れて我を忘れそうになってたし。

その後少し時間を置き、冷静になってから佐伯主任に電話を掛けた。

『もしもし、蘭です。さっきはすみませんでした!』

『修は、まだ傍にいるのか?』

『いいえ、もう帰りました。シュウにぃ、何か言ってました?』

『蘭さんがお風呂に入ってるって』

『ホントだったんだ!もうやだシュウにぃのバカバカ!!お風呂に入ってる間にシュウにぃが私の部屋に勝手に入ってて。あ、でもすぐに追い出しましたから』

『風呂上りの姿を、修に見せたんだ?ずいぶん無防備じゃないか』

『うっ……。でもルームウェアだったし……』

これって、ヤキモチ入ってるのかな?なんて、自惚れなのかな。

「それで、主任は怒ってたの?」

「ううん。ほんのちょっとイラッとはしてたみたいだけど。そんなに機嫌悪くはなかったよ」

私のことを信用してくれてるんだよね、多分。

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